「あ、来た来た。鏡、これしかないんだけどさ。」



と、ケバ子ちゃんが指差したのは窓。



そこに僅かに映っている自分。




「ほら、この元々4人しかいないし。鏡のある体育館は借りれなくてさ。」




なるほど。まあ、でも踊れなくはないから。
というより、十分か。





「新井さん、下の名前なに?」



「宇美。」



「宇美ね。もう振り付けはできてんの。だから、制服じゃ踊りにくいかもしんないけど、今日は頑張って。」




カウントを取り始めたケバ子ちゃんに、ワクワクした。