次の日の朝。
お母さんと一言も口を利くこともなく、
朝ごはんも食べずに、家を出た。
バイト代も限られてて、それもダンスに使ってるし、反抗って言っても出ていくこともできなくて。
ただ、口を利かないことが私の精一杯の反抗。
情けない。
お金さえあれば、出て行くんだけど。
「おはよー。宇美。」
「あー、おはよう。」
元気ない?と麻友香がポンっと肩をたたく。
昨日の出来事を思い出して、大きなため息が出る。
「なにー!?大地君となんかあったわけ?」
「別に長澤君と何かあったわけじゃないけど。」
また、ため息をついて昨日のダンススクールから家での出来事を、ざっくり話した。
「えー、あんたからダンスとったら良いとこなしじゃんね?せっかく、恋も始まって楽しくなってきたって言うのにねぇ。」
冗談なのか、本気なのか、いまいちよく分からない言葉を返してくるのはいつものことで。
私をこれ以上、傷付けたいのかって。

