「まだこのクラスに馴染めない感じ?」
慎司君は、しゃがみ込んだまま話しかけてくる。
茶髪で、ダンスやってます!って感じの男の子。
ダンスは長澤君には叶わないけど、上手いと思う。
「まあ…。よそ者なので。」
「よそ者って…でも超うまいよね?途中で入ってきたから、どんな子かと思えば。」
「いえ、そんなことないです。まだまだです・・・。」
あー。だれか助けて。
助けを求めて、先生に視線を送ると先生も大地君と一緒に踊っていた。
絶 望 的 ・・・
もう、早くレッスン始めてよ。早く!!!!
色々と話しかけてきてくれるけど、頭の中に残っている話は慎司君は20歳ということ。
それ以外は覚えていない。
と、言うよりも私への質問ばかりだったから。
「よし、じゃあそろそろ始めるか~」
のんびりと言った先生に、遅いよ!って思わず言ってしまいそうになって。
その言葉を頑張って飲み込んで、誰にも邪魔されないように自分だけの世界に入ってレッスンを受けた。

