「最近はギャラリーが多いなぁ。」


と、苦笑いする先生。


睨みを利かせている女の子。


いつも通りの長澤君。


スタジオのドアに張り付いて中を覗いているケバ子ちゃん軍団。


できるだけ顔をみられないように俯く私。





もう、何回目だ!と言いたくなるくらい毎回毎回見に来るケバ子たち。



頑張ると決意をしたのに、私は長澤君と話すどころか、顔を上げることすらできない。
その話を麻友香にすると、案の定、大笑いしていた。
そして、堂々としてな!と私の背中を叩いた。




そんなことできるはずない!と開き直っている私。




「宇美ちゃん・・・・だっけ?体調悪いの?大丈夫?」



「・・・え?」



俯いていた顔をあげると、目の前には男の子。
確か・・・・・慎司くんだったかな。



「あ、うん。大丈夫です。ありがとう」



「それなら良かった。」



しゃがみ込んでる慎司君との距離が妙に近くて、また下を向いた。
こんなとこ、長澤君に見られたくない。



チラッと長澤君に目線をやると、いつも通り前を向いて踊っていた。
そっか。別に気にするはずないよね。


自惚れて、少し期待していた自分って、ホントにバカだ。