「まさか、大地君だったとはねぇー。」




中学からの付き合いの麻友香が苦笑いして。そう言った。




「まあ頑張りな?なんか、宇美だったらいけそうだしね」



「もう。冗談やめてよ。」


ニヤッと笑った麻友香の腕をバシッと叩いて、ハァと1つため息をついた。






今日の昼休み、クラスのケバ子ちゃん達がキャーキャーと悲鳴にも取れるような声をあげて、話していた。



「昨日さ、大地君がバイクに女乗せてんの見ちゃったんだけど!!!!」


「えぇ!?それ、マジで大地君なの?」


「ホントだって。だってスタジオから出てきたし!!!」


「顔見えなかったの?」


「見えなかった。まあでも同じレッスン受けてる奴でしょ。」


「じゃあ今度こっそり見に行こうよ!!!」





その声を聞いて、血の気が引いていくのが分かった。
やばい、やばいよ。
あの日の奴が私だってバレなくても、長澤君と同じレッスンを受けてると知られたら、面倒くさいことになるのは目に見えてる・・・・・



真っ青になってる私を見て、麻友香が勘付いたらしい。
麻友香にバレたのは良いとして・・・・ハァ。



今日、何回目か分からないため息をはいた。