独り言を私が聞いてきたことに気付いたのか気まずそうに頭を掻きながらベンチに向かってくる。 『あの…あなたも乗り遅れたんですか』 『そうだけど、あんたも?』 つい声をかけてしまって、もし返事がなかったらどうしようなどと考えていたら、彼は案外普通に答えてくれた。