《高校1年 初夏》 いつもは六時半に起きて余裕を持って家を出るのに、前の日の夜更かしのせいか一時間も寝坊してしまった。 『ちょっと沙希!ご飯食べていきなさい!』 『そんな時間ないってば!行ってきます!』 そんな感じでバタバタと家を出て、高校用に買いなおしたローファーで全力疾走。 駅についた頃にはもう電車は来ていて、間に合うか間に合わないかのギリギリで。 『待って!電車待っ…てえぇー…』 間に合わなかった。