予定、未定。


彼女の白い指が頬に触れる。
触れられた箇所がひんやりとした冷たさを感じた。

顔は接近したままで睫毛もよく見えるぐらい。
…超近い。


「…ッ…」

やたらと端正な顔が目の前にある。

…うん。
コイツ、本当に顔は綺麗だよな…。

照れ隠しにそんなことを思ってみる。

そうでもしなきゃ、顔に熱が上がっていくのを止められないだろう。

…止めきれてないけど。

(あぁもう…)

今にも即行顔背けたい。
でも、それを彼女の瞳が許さない。


じっと見てくる瞳に、縛られたかのように顔どころか、身体が動かない。

やけに真面目な顔をして、見つめてくる彼女は俺の顔に触れたまま。


暫く時間だけが無駄に流れ、不意に彼女が口を開く。



「…顔、赤くない?」


…。


…それこそお前のせいだっての!!!