血塗られたジャージ

貴子はなんだかもうわかりあえないと思い

「そろそろ帰るね」と言って早紀の家を後にした。


駅に向かうまでは頭に血が上っていたが、

電車に乗ると貴子は少し反省していた。



みんな不安なのだ。

子供がいても、

いなくても、

仕事してても、

してなくても。


若さを失って代わりに得たものは何だろう。

許すこころなのかもしれない。

貴子は早紀に

「さっきはごめんね。

言いすぎた。

また遊ぼうね」

とメールした。