二人は無言で向かい合って座っていた。


課長《課長さま。って呼ぶの辞めてくれないか? 和也と呼んでくれないか?なんだか会社から抜けられてない気がするんだよ。》


華《呼び捨てにはできませんので和也さん。でよろしいでしょうか?それに人の名前を覚えるのが苦手なものでして。》


和也《いつまで猫をかぶっているんだい?二人しか居ないのだから猫を被らなくてもいいよ。俺も素になるからさ。》


華《そ、なら猫被るのやめるは。てかなんで結婚しようと思ったの?こんなつぶれかけの会社乗っ取ってどうするの?何が目的なの?》