つまらなさそうな明人を見ていると、ジェイビーズが期待外れのバンドだったらどうしようと、良子は不安になる。
良子自身、彼らの実力もやっている音楽の種類も知らないまま来てしまったわけで、圭や一葉の演奏を好きになれなかったらという心配もあった。
一組目が演奏を終えて、ステージ脇に消えていく。
良子は、ドキドキしながら、そこから現れるだろう次のバンドを待った。
「あ、一葉ちゃん」
ベースを抱えた一人目の男性に続いて、遠慮がちに一葉が姿を現す。
そしてフロアに目を向けることもなく、そそくさとドラムセットに向かった。
「ジェイビーズ?」
明人が良子の耳に口を寄せて問い、良子は緊張の面持ちで頷いた。
ボーカルの男性に続き、ギターを持った圭が現れる。
「レスポール・カスタムか」
圭のギターを見て、明人がつぶやく。
良子はギターの種類をまだよく知らず、明人のものと形状が異なることしかわからなかった。
メンバーが定位置に着き、目配せをする。
そして、一葉がスティックを振り上げた。
最初の一音だけで、全てがわかったといっても過言ではない。
良子と明人は、総毛立つのを感じた。
一組目のバンドとは桁違いの実力だ。


