翌日の放課後、準備を整えた良子は、いつも行くスタジオを訪れた。
「こんにちは」
もうすっかり顔なじみになった受付の若い男に声をかける。
「あれ?今日予約入ってたっけ」
「いえ、今日はあたしの用事なんです。お願いしたいことがあって…」
良子は手提げ袋の中から、昨夜作ったフライヤーを一枚取り出す。
「これを貼ってもらえませんか?」
恐る恐る差し出す良子と裏腹に、男は気前良く頷く。
「ああ、もちろん。ライヴやるの?」
受け取ったフライヤーを見ながら、男は言う。
「へぇ。よくできてるね。君が作ったの?」
「あ、はい…!あの、よかったら来てください。チケットまだいっぱい余ってるそうなので」
「そうだね、都合がつけば行くよ。スタジオのお客さんにも宣伝しとく」
そう言ってニコッと笑った男に、良子は大きく頭を下げた。
「ありがとうございます!!」


