スタジオを出て、夕食を食べて帰ろうということになり、弘治と明人の行きつけの居酒屋を訪れた。
「一応聞きますけど、みんな未成年ですよね?」
良子の小声の問いかけに、誰もが聞こえないふりをする。
四人掛けのテーブルの奥に良子、その隣に弘治、良子の正面に平良、その隣に明人が座った。
「みんなビールでしょ?良子ちゃんは…サワーくらいしかないな。どれにする?」
弘治がドリンクメニューを手に取り、良子の方へ傾ける。
そこには、カシスオレンジもジントニックもなかった。
「うーんと…グレープフルーツサワーにする!」
良子が言うと、明人が店員を呼び、手早く注文を済ませる。
すぐにジョッキに入ったドリンクとお通しが運ばれてきて、
「じゃあ、良子ちゃんの高校合格に」
平良が乾杯の音頭を取る。
「しかも北高に!」
弘治が付け加え、
「乾杯!」
「ありがとうございまーす!」
ガチャッと音を立てて、4つのグラスがぶつかる。
初めてのグレープフルーツサワーを口に含むと、酸味と炭酸が喉を刺激する。
喉が渇いていたことに気付き、ゴクゴクと流し込む。
「おいしー!」
無邪気に笑う良子を、三人とも微笑ましい気持ちで見つめる。


