若者でにぎわうセルフ式のカフェに入って、良子はレモンティーを、平良はアイスコーヒーを手に、カウンター席に座った。


「後でみんなでお祝いはするけど、一足先に、合格おめでとう!」


平良はプラスティックのコップを掲げ、


「ありがと!」


乾杯をするように、コップを合わせた。


「あ、ケータイ。メールもできるように、アドレス教えてよ」


平良は思い出したようにそう言い、パーカーのポケットから携帯電話を取り出す。


良子も慌てて携帯電話を手にするが、


「あ…ごめん、まだ使いこなせてなくて。どうやって見るんだっけ…」


ぎこちない手つきで操作する良子に、平良は手を差し出す。


「ハハッ。貸してみ」


平良の手に渡った良子の携帯電話は、いとも簡単に電話番号とアドレスを表示させる。


平良がそれを見ながら自分の携帯電話を操作すると、やがて良子の携帯電話が震えた。


そのメールから、手早くアドレス帳へ登録を済ませる。