LIVE HOUSE 2nd Gig




間もなくして、


「じゃ、スタジオ着いたから。今日は早めに寝るように!」


平良は言うが、それは嘘だった。


本当はもっと話していたかったが、受験を明日に控えている良子に、長電話をさせるわけにはいかない。


良子も良子で、平良には練習をがんばってほしいと思っていたので、電話中にスタジオに着くようであれば、すぐに切ろうと思っていた。


「うん。結果が出たらまた連絡するね!」


「待ってる。がんばれ!」


二回目の“がんばれ”に、良子は胸がいっぱいになる。


電話を切って、それを心の中で何度も繰り返し、ベッドの上でじたばたと暴れた。


電話番号の書かれたチケットの半券を見つめ、再びニヤける。


平良の力強い字も、“がんばれ”と言ってくれている気がした。


いつもは机の上に置いているその宝物を、大切に手帳に挟み、鞄にしまう。


そして早々に支度をして、平良に言われた通り、小さな子供が寝るような時間に眠りについた。