簡単な事情聴取と現場検証が行われ、その夜のバイトはほとんど雑務で終わってしまった。 ま、特に取られたものもなかったし、あたし達にはお咎めはないよね。 実はそれ、そこが一番心配だった。 こんなハプニングのお陰で、折角波に乗った仕事の腰を折りたくはなかったのだ。 シフトを終え、明け方アパートに戻って朝食の支度をしているとドアを叩く音がした。 「はい」 出ると、そこには佐藤さんの奥さんが立っていた。