「えっ、会社を辞めた?」 そんな風に驚いたのは、他でもない、毎月我が家に雄太の養育費を届けてくれる坂本弁護士だった。 「で、子供が生まれるって?」 そ、そんなにあからさまに驚かなくったって…… 「仕方なかったんですよ、子供は産みたいし」 「産みたいって、その藤沢課長は、はっきり言って喜んでないんでしょう?」 「そうですけど、それがなにか?」 「なにかって……」 あたしの剣幕に、坂本弁護士は表情を硬くした。