シャワーから出ると、熱いコーヒーが用意されていた。
通された開けたリビングの窓からは、公園の木々が一望できて。
どうやらここは、ハイクラスのマンションのようだ、と想像できた。
ということは、彼もハイクラスの人間だろう。
「ここ二階でしょ。
この窓から、時々、貴方達親子の姿が見えたんです。
随分歳の離れた兄妹だなって、初めは興味で」
「嗚呼、それ、よく言われます。
雄太と雄輝は父親が違うから。
雄太はあたしが大学時代に付き合ってた彼の子で、雄輝は彼が死んだ後、不倫してた元上司の子」
あたしは包み隠さず自分のことを話していた。
だって、もう取り繕うのは止めようって誓ったばかりだったから。
「不倫って……」
でも……、さすがに刺激が強すぎたのか、彼の口からは驚きの声が漏れた。



