凌央は梓を抱えたまま、振り返った。


「お前…、勝手なこと言ってんなよ」


凌央は梓の足を引っかけた女にそう言ってから、保健室に向かった。



「まだ両想いじゃん♪」


麻子は小さく呟いた。

意識を失った梓には、知るはずのない話だった…。

凌央が助けてくれたなんて。