第1演習場に入るためのドアが開かれる音がした。
別に今日が初めてって訳でもないが今回は特別だ。

見慣れた服装で入ってきた人物は―――


「カリン…」


カリンが入ってきた。


まだ誰にも秘密に修行しているのを知られてはいないし、知られたくも無かった。
俺は影で努力をつんでいたいんだ。

カリンはゆっくりと近寄ってくる。
彼女はここに来てまだ一言もしゃべっていないな。

ここはひとまず帰るか――

「カリンは特訓か?じゃあ俺は邪魔だろうから、帰るよ。」


立ち去ろうとしたとき―――


「どうして隠すの?」

彼女は口を開いた。

「隠れて修行するのは悪くない、むしろ良いことなのよ。それなのになぜ隠そうとするの。
しかもあなたが行ってることは私たちのランクにあっていないものよ。放出をあれだけ出来るのは珍しすぎるわ。 」

カリンはまだ言いたげだが口を閉じた。

最初から見られていたのか…


「目的があるから…俺は進むしかないんだ…。」


「1つ聞かせて。あなたの担当者の名前はなんて言うの?」

担当者?ユナとレンの事かな?
でもユナに名前を言うなって言われたような…