「・・・ここか。」 俺は小さくそう呟いた。 緑の原っぱ。 そこにある数々の墓。 親父はチューリップと 雑巾の入ったバケツ片手に 車から降り、 ひとつの墓に向かった。 俺もその後ろについていく。 親父はある墓の前に行くと、 雑巾でキレイに墓をふき始める。 俺もそれを手伝い、 キレイになると親父は チューリップを供えた。 「・・・1年ぶりだな、リサ。 今日は奏も来てくれたよ。 良かったなぁ、リサ。」 今まで見たことのない、 優しい笑顔でそういっている。 こんな親父、俺は知らない。