そして美音の母は そっと口を開いた。 「・・・母子家庭なのよ。」 そう一言つぶやいた。 そのことは、 美音から聞いていなかった。 「父親はね、死んだのよ。 美音がまだ3歳の時だったわ。 あの子、ほとんど 父親との思い出がないのよ。 私も必死に仕事をしてたから あんまり構ってあげられなくて そしたら病気になっちゃって お金がかかるでしょう? だから必死で仕事して お見舞いなんて全然来なかった。 ひどい母親ね、私。」 切なそうに、笑った。