「本当はね、奏くん。 奏くんが入院してから 毎日電話をくれるんだよ。 “奏の体調はどうですか” “ちゃんと笑っていますか” “わがままは言っていませんか” そういって。 毎日だよ、毎日。 奏くんのお父様は ちゃんと君のことを 思っているんだよ。」 ・・・嘘、だろう? そんなはずないと、 あるわけがないと、 頭がそういっているが 親父の顔は真っ赤だった。