「梨沙ぁー!起きなさい」
響きわたる母の声、私はだるそうにリビングに向かった
「お母さん…具合悪い…」
「嘘おっしゃい!今日が初日だよ。頑張って行って来なさい」
お母さんはリビングでゴロゴロしてる私の肩を軽くポンッと叩く

そう、私は転校生の中学3年生
『根元梨沙』

去年に母と父が離婚して、こっちに引っ越してきたの。
私受験生だよ?そんな事考えてないよね…
でも、そんな事言えない。


「だって~もう3年生だよ?仲良しのグループとかできてるよ、入りずらいというか…」
ゴロゴロと左右に移動しながらうだうだしていた
「頑張れっ!」
また?お母さんの"頑張れ!"簡単だよね…
でも、そんな事も言えない、迷惑かけたくない。
「わかったー行きます!あっ!髪染め直すの忘れてた!」
前の学校では結構荒れてた方…髪の毛は明るい茶色。
「そーよ!しょうがないから今日はそれで行きなさい」
「ずっとこのままだから!」
私は染め直したくなかった。だって、元彼が最後にくれたプレゼント…
引っ越しをきっかけに別れた…
今も好き…廣斗

髪の毛をいじりながら少し潤目の私
「あんた、ホントに熱あるかも」
お母さんはなにもわかってない親の都合で彼氏とも友達にも会えないのに。

「いってきまーす」
そして学校に向かった