胸を刺す美咲の想いに、何とか慰めようと言葉をかける。


「でも、信二だっていつかは彼女を作るはずだっただろうし、美咲の想いだって・・・・」


そう言い掛けた途端、美咲が声を荒げた。


「『一番』になれない彼女に、何の意味があるの!?

私、そんな物いらない!!!


武に愛されているあんたなんかに、私の気持ちはわかるわけない!!!」


そう言いながら、美咲は子供のように、わんわん泣き出す。


何も言えない陽子は、そんな美咲を只々見つめる事しか出来なかった。







頂点へと登りつめた月が、美咲達を優しく照らす。


心配した武が、二人を迎えにやって来た。



美咲は陽子に肩を抱かれながら、三人は建物の中に姿を消した。