-呪歌-



「・・・いや、いいんだ」


武が陽子の助けを拒む。
俺が付いていれば信二は死なずにすんだ。



それは自分の中で、何度も何度も繰り返されたセリフだ。


変に慰めを向けられるよりも、いっその事、美咲のようにストレートな言葉で攻め立てられるほうが、武の心は救われるのだった。




「俺・・・甘く考えてたわ。

何で俺・・・信二を残して・・・」


再び武の両目に涙が溢れる。



だが、

その姿を見ても尚、興奮の冷め遣らぬ美咲の怒りは、思わぬ方向へ矛先を向けるのだった。
「だいたい晴海が・・・・


晴海があの時、歌なんか歌わなければこんな事にはならなかったのに!!」



涙混じりの声で美咲が叫ぶ。


「美咲・・・あんたそんな事本気で考えてるの・・・・?」


あまりに酷い発言に、陽子が軽蔑の眼差しを送る。