淡い水色のカーテンに、洒落た白いチェスト。

化粧台の隅には、美しいオブジェのような形をした香水が一瓶。


気の強い性格とは裏腹に、美咲の部屋は非常に女らしい趣味の物だった。


四階建てのワンルームマンションの二階。
美咲と陽子が、おしゃべりに花を咲かせている。


〜♪


陽子の携帯が鳴る。


表示された愛しい人の名前を見た陽子は、すぐに電話に出た。



「もしもし?」



陽子の反応を見て、電話の主が武だと察した美咲は、からかう様な視線を陽子に送っている。





突然、陽子の顔から微笑みが消える。




「え・・・・?どういう事?

どうしてそんな・・・・」



その様子を見た美咲は、通話中にもかかわらず、陽子に質問する。



「・・・どうしたの?」



すると陽子は、携帯を耳から下げて言った。



「信二が・・・・死んだって・・・・」