高校時代、悩みを相談してはいつも背中を押してもらっていた。
その頃の頼れる親友は今も目の前に健在している。


「陽子、今日まだ時間ある?」


「え・・・?
夕方までなら大丈夫だけど?」



「だったら善は急げよ。
私、呪いとか霊とか全然アウェイだけど、そういうの詳しい人がうちの短大にいるわ。

餅は餅屋っていうでしょ?」


そう言いながら、そそくさと席を立ち、陽子をせかした。



今はどんな小さな希望にも縋り付きたい。

この呪いを解く鍵が少しでも見つかるのなら・・・・



陽子は今日子に誘われるがまま店を後にした。