深夜二時、閑静な住宅地の二階の一室に煌々と明かりが灯っている。


そこには、散らばった資料の中にあるパソコンに向う晴海の姿があった。


「はぁーぁ、実習の資料作りなかなか終わらないや・・・」


コーヒーでも飲んで気分転換をしようと、腰を持ち上げたその時。


『とーさんもーうすーぐ・・・』


二度と聞きたくないと思い続けていたあの歌が耳元で囁かれ始めた。


「もうやめて!聞きたくない!!」


椅子から崩れ落ちた晴海の視界に、薄汚れたあの女の子の足が映る。


「ヒッ!!」


思わずとっさに顔を上げた。

女の子は相変わらず、口から血をドロリと流しながら笑っている。


そして歌が終わり、例のなぞなぞが始まる。
晴海は今まで三度遭遇してきたが、出された質問には毎回正解している。




今日もいつも通り問題に答えれば消える・・・



そう思っていた・・・



そう、いつも通り・・・