「あ、だったら、アタシの折り畳み傘使ってください! 黒なんでおかしくないですし!!」



アタシは持っていた鞄から折り畳み傘を取り出した。



「はい」と青年に渡そうとすると手を捕まれた。



「え?」

かなり戸惑いながら青年の顔を見た。

「いい……へーき……」


青年は優しく微笑んだ。



「でも………風邪……」

「大丈夫……オレ、そんなにやわじゃないから……」


そーいう問題じゃなくて……。