あ、ヤバイ。

思い出したら涙出てきた。


私は目頭にたまった涙を右手の手首でグイっと拭った。


その様子をジッと見ていた彼が立ち上がり、パンパンとお尻についた砂をほろった。

そして静かに私に近づいた。


「・・・・・・なによ」


並んだ彼は私と同じくらいの身長で、顔が同じ所に並んだ。


「本当は甘えたいんでしょ?」


彼が私に向かって優しくニッコリと微笑んだ。


「何言ってんの!?そんなわけないじゃない!」


「えー。さっき海に向かって叫んでたのって嘘?」


彼は私の前に回り込んでもう一度優しく笑った。


「!!!」


やっぱり聞かれてたんだ。

私は恥ずかしくなって、一気に体中の熱があがった。


恥ずかしさて固まってしまった私に、彼はこう言った。