私はスウっと息を吸い込み、自分の気持ちを叫んだ。


「女王様なんかじゃないもんっ!私だって甘えたいもん!!」


「え!?何事!?」


「っぎゃあああ!!」


私の声に反応して、何かが左隣でムクッと動いた。


驚いて目を見開いて見ると、そこにいたのはランニングシャツにハーフパンツ姿の男の人。


頭にはタオルを巻いていた。


月明かりがボンヤリと照らすその人の顔は、目がクリンと大きくて、可愛らしい印象を受けた。


切れ長でスッとした私の目とは正反対。


「その制服・・・東実(とみ)高校の人?」


彼は、私の制服を上から下までマジマジと見つめた。


「だからなによ」


私は反射的にツンツンした態度をとってしまった。


緩めたネクタイを締めて、腕を組んでフンと顔を彼からそらした。


いつも思う・・・本当私って可愛げないなって・・・・・・。




だからフラれるんじゃない・・・・・・。