「えっ?……
けっ…こん…」



彼女は驚きそう言うと…

沈黙してしまった…



いきなりのプロポーズ…

戸惑う彼女の

気持ちもわかる…



だが…


不思議と僕自身は

落ち着いている…



相変わらず

沈黙の間は長くは感じる…


しかし、いつもなら

心臓が壊れそうなくらい

波打つはずだが…


何かを強く決意した時、

人はこんなにも

強くなれるのか…



そして…


涙で濡れた頬を

拭いながら、

彼女が沈黙を破った…



「ありがとう…
でも…結婚なんて無理だよ…」


「どうして?
僕と結婚するのは嫌?」


僕の問いかけに

彼女はまた

涙を浮かべながら答えた…



「そうじゃないよ!
すごく嬉しいよ…
だけど…私こんな体だし…
結婚したってきっと良い
奥さんに成れないし…
普通の奥さんの方が
絶対いいよ…」



僕は…

彼女を強く抱き寄せた…



「もういい!もう…
何も心配しなくていいよ…
全部僕が受け止めるから!
僕の事を想う気持ちが
有るなら…
それだけでいい…
それだけ持って僕の所へ
来てくれれば…それでいい…」


素直な気持ちだった…

カッコつけてるわけでも

無理をしてるわけでもない…



そして…

もう一度彼女に言った…



「姫乃…
結婚しよう!
お嫁さんになってくれっ」



僕の言葉に

彼女は…



「はいっ!」



っと深く頷き、

涙を流しながら

満面の笑みを見せてくれた…



そして…


僕は誓った…


彼女が後悔しないように、

彼女を愛し続けると…


自分に…彼女に…


強く…強く…

誓った…