「泣けば良いじゃん!」

彼女は平然と答えた。

「泣いて、泣いて、その幼馴染みさんの事を思い出すたびに泣いて……」

彼女の声が段々と擦れて聞こえてくる。

「それでも駄目ならまた泣いて泣いて泣き続けたら良いんだよ!」

その声を聞いていると、自分の頬に水が伝わって来た。
なんだ、そんな事だったのか。俺はただ泣く事がカッコ悪いと思っていたからずっと痩せ我慢して来ただけなのか…
彼女はブランコを降りて俺の前に立ち、
彼女の両手は俺を包みこんだ

「そう、そうやって人は強くなっていくんだよ、ゅ…。」

最後の言葉は聞き取れなかった。
でも今、凄く懐かしい匂いがする。温かくて、優しい、安心できる匂いが…。

「じゃ、私は帰るね」

彼女は何かが吹っ切れたような笑顔で俺に微笑みかけた。

「帰って思いっきり叫ぶんだ!『私の好きになった人はとても素敵な人だった』ってね♪」

彼女の影は夕日へと消えていった。
俺はその懐かしい影が無くなるまでずっと見つめ……

「……美樹……」























『 あ り が と う 』