笑顔のまま、さゆりちゃんは続ける。


「ねえ、ほたるちゃん。
平岩先輩が死んで悲しい?」


私は素直に、思ったまま頷いた。


「そうだよね。
私も悲しいよ。
私たちだけじゃない。
平岩先輩はたくさんの人から好かれてたから、悲しんでいる人は、たくさんいるの。」

知っている。
先輩が多くの人から人望を集めていたことは、よく。

私はさゆりちゃんの、笑顔の奥で、全く笑っていない瞳を見つめた。


「ねえ、ほたるちゃん、知ってる?
ほたるちゃんが死んでも、誰も困らないってこと。」