「ほたるちゃんが、平岩先輩のこと、好きだってこと。」

“さゆりちゃん”の口元は笑っているのに、瞳はしっかりと私の瞳を捕らえている。


「私さえいなければ、先輩の気持ちが自分に向くんじゃないかって、思ってたこと。」

心臓が冷たく跳ねた気がした。


「昨日は先に帰ったはずなのに、
あの時、あのホームにいたこと。」

“さゆりちゃん”は言い終えると、にこりと笑って見せる。


「ほたるちゃんは知ってる?
昨日、どれだけの人に迷惑がかかったか。」