あの日、“さゆりちゃん”は、この告白に対して、

「はい、是非。」

と答えた。

けれど私は、違う返事をするつもりだった。


「ごめんなさい。」

そう言って、断るつもりだった。


そうすれば、あんなことは起こらないはずだから。


それに、これはあわよくば、だけど、この告白を断れば、
“私”、つまり、“三枝ほたる”にも、チャンスが巡ってくるかもしれないから。



けれど、どうしても、さっきの先輩の言葉が、頭に響いて仕方なかった。