二人が途端にクスクスと笑いながら言ってくる。
「今日もボランティア、いってらっしゃーい。」
言っている意味がわからなかったが、とにかく私は、教室の前の扉から入ってきた“私”のところへ向かった。
私が近付くと、彼女は伏せていた顔を上げ、
「おはよう、さゆりちゃん。」
と薄く笑みを作りながら言った。
これが、本当の“私”、
“三枝ほたる(サエグサ・ホタル)”。
自覚していたつもりだったけれど、他人の目から見るからだろうか。
地味で、ダサくて、とにかくパッとしない。
私のコンプレックスだった小さな目と、下膨れ気味の顔と、おどおどした態度。
そのすべてに無性に腹がたちながらも、聞いた。
「あの、あなたは、
さゆりちゃん?」
「今日もボランティア、いってらっしゃーい。」
言っている意味がわからなかったが、とにかく私は、教室の前の扉から入ってきた“私”のところへ向かった。
私が近付くと、彼女は伏せていた顔を上げ、
「おはよう、さゆりちゃん。」
と薄く笑みを作りながら言った。
これが、本当の“私”、
“三枝ほたる(サエグサ・ホタル)”。
自覚していたつもりだったけれど、他人の目から見るからだろうか。
地味で、ダサくて、とにかくパッとしない。
私のコンプレックスだった小さな目と、下膨れ気味の顔と、おどおどした態度。
そのすべてに無性に腹がたちながらも、聞いた。
「あの、あなたは、
さゆりちゃん?」


