狼クン達のオリの中③【完】

その結果――…


ゴンっ!


鈍い音と共に、あたしは頭を押さえてしゃがみこんだ。


いくら蘭ちゃんのおウチがお金もちだといっても、蘭ちゃん家の車の天井が、あたしの背よりも高いことはなく――…


「痛い…
痛すぎる…」


あたしは、しゅぅぅぅ…と空気の萎んだ風船のように、小さくなってもとの座席にへたり込んだ。


と同時に、車は音もなく止まり――…


「どうせ喰われるなら、こっちの方が嬉しいけどなぁ。
優しくしてねっ♪」


開いたドアから、あたしを押し倒す勢いで薫がのってきて、あたしのおでこにキスをした。