「悪いけど。
由梨。
さっき言ったのは、“うそ”でも“意地悪”でもない」



あたしが絡ませた腕は、静かに――…


でも、はっきりとした涼の意思を持ってほどかれた。


「…え?
なに?
涼…
急に…
どういうこと?」


背筋がゾッと冷たくなる。


暑さから出る汗とは違った嫌な汗が背中を伝う。


きゃ~きゃ~と。
楽しげな笑い声が響く夕暮れの遊園地。