狼クン達のオリの中③【完】

「ふんっ。
キスなんて、してもらわないても結構!!」


薫のパーカーのフードを持つ手をユラユラ揺らすと、それに合わせて人形のようにフラフラ動いた薫が言った。


「よかった。
お姉ちゃん。
元気が出たみたいだね」


「…ん?」


「…じゃなくて。
キスしてくれなきゃ、ボク、教えないもんっ」


「…ん?」


「涼兄の、い・ば・しょ♪」


「はぁぁぁあ!?
あんた、知ってるの!?」