狼クン達のオリの中③【完】

薫のパーカーのフードを持って、ぐいーんと引き剥がすと――…


「涼兄のいないこんなチャンス。
ボクが逃すわけないじゃーん!」


薫は、金髪の髪をサラサラ揺らして、あたしに唇を突き出した。


「それにさ?
ボクとキスでもしちゃえば、涼兄、焦って飛んでくるかもよ?
だ・か・ら♪
ほら~
早くぅぅぅぅっ☆」


…って、そんな手にはのりません。


「違うよぉ。
誤解だよぉ。
ボクは、ただ…
お姉ちゃんに協力してあげたいだけなのにぃぃぃ」


そんな可愛い顔をしても、引っかかりません!