そのため、旦那様は、あのような……悪者を演じられたのです。


涼坊ちゃまに……自分の力で、由梨様を、世間に認めさせろと。
由梨様が、綾瀬グループにとっても有益な家のお嬢様なら、なにも問題はないと。


そして、この機会に……。


ただの何の力もない高校生ではなく。
綾瀬の庇護なしでも、やっていけれるところを見せてみろと……。


わが子を千尋の谷に突き落とすようなものでしょうかね。