狼クン達のオリの中③【完】

それでも、そんなこと、何にも言わずに、


「でも、そうだなぁ?
無事に解決できたら、何をご褒美にもらおうかな?
お姉ちゃん、“ちゅー”でもしてくれる?」


可愛く笑って、目を閉じる薫は――…


「薫って、ほんと、いい子だよね」


ほんとに、本当に…優しい優しい…男の子。


こんなに優しい男の子がそばにいてくれたら――…


あたし、泣いてる場合なんかじゃないよね。


薫の頭をよしよしっと撫でて、あたしは目じりの涙を拭いた。


でも…ね?