狼クン達のオリの中③【完】

そんな――…
いつもは小悪魔にしか見えないしぐさも、今日は…


「涼兄は、そんなボクとは違うし。
あんな一途なイケメン、他にはいないよ?」


あたしの気持ちを救うための、優しいしぐさに心底見える。


「涼兄のことだもん。
きっと…
一人でなんとかしようと思ってんじゃん?」


「…」


「ほら―…
ボクなんかと違って、出来がいいしさ?」


「…」


「だから――…
お姉ちゃん。
もう、寝ようよ。
こんなに泣いちゃったんだもん。
明日目がぼんぼんにはれちゃうよ?」


薫はあたしを抱きかかえ、よいしょっと立たせた。