狼クン達のオリの中③【完】

「え?
なんで?
薫!
知ってることなら、なんでも教えて!」


あたしは、薫のパーカーの襟元を掴んで、ゆさゆさ揺らした。


その拍子に、パーカーのフードが頭からするりと落ち、明るい照明の下、薫の金髪がさらさらと零れ落ちた。


それでもなお、薫のパーカーの襟元を掴んだまま揺らし続けると、薫はあたしの手首にそっと手をかけ――…


「大丈夫。
涼兄を信じようよ」


あたしの瞳を見つめて、強く強く、そう言った。


「涼兄は。
好きな子を。
こんな風に泣かせる男じゃないよ?」


そんな言葉とともに、そっとそっとあたしの手をパーカーからはずす。