狼クン達のオリの中③【完】

すると――…


「泣かないで。
お姉ちゃん」


あたしの肩を引き寄せて、ぽんぽんと頭を撫でる薫が、


「大丈夫。
ボクがついてるよ」


そんな言葉であたしを励ましてくれた。


「…ん…」
ありがと…


薫は優しいね。


いっつもいっつも…
優しいね。


薫は…
あたしがつらいとき、寂しいとき。


いつも必要なぬくもりをくれる。


でもね?
薫…


薫じゃ…涼の代わりにはなれないんだよ…。