「……ったく。 あれ、いったい、なんだったわけ!?」 嵐のように去っていった玲王の後ろ姿を、呆然と見つめるあたし。 「っていうか。 『覚悟してね、由梨ちゃん。 今日のボク、想像以上に、カッコいいから♪』 ……って、玲王。 いったい、なんのショーに出るの? これから」 ひとり言を呟いて、バッグの中から、もらったチケットを取り出して見ようとすると……。 「一之瀬ブランドの新作発表みたいだよ? お姉ちゃん」 薫があたしの目の前で、チケットをひらひら揺らした。