狼クン達のオリの中③【完】

昼間は泣いて、すぐに引き下がったけど――…


今になって、イライラしてきた。


くっそ―っ!
綾瀬涼!!


何考えてるのか知らないけど、由梨さんを怒らせたら怖いんだぞぉ?


覚悟しろ!?


半袖の肩をまくり、鼻息も荒く力強い一歩を踏み出そうとしたとき――…


「お姉ちゃん」


寝起きでかすれ気味の声も可愛い薫が、


「涼兄ならいないよ?」


あたしの服の裾をツンツンと引っ張った。