ボーっとしてると薫が部屋に来て、あれこれ世話を焼いてくれて。


透明なフィルターの向こうにいるような感覚の日常が、なにげなく、昨日から今日、今日から明日へとあたしを運んでくれる。


ただ息をしているだけで、知らないうちに、気づかないうちに。


カレンダーの日付が変わってる。


頭の上を、時間だけが通り過ぎてく、そんな感覚。


「お姉ちゃん。
もう、秋だよ。
ほんと、寒くなったね」